音声入力は"道具"で変わる ── 私が使っている3つ
録るマイクと、文字にするソフト。2つの層で選ぶ(全3回・第3回)
音声入力には、実は2つの層があります。声を「録る」道具(マイク)と、その声を「文字にする」道具(ディクテーション。話した言葉を自動でテキストに変えるソフトのこと)です。この2つは役割が別で、それぞれを良くすると、使い心地がはっきり変わります。今回は、私が実際に使っている道具を、この2層に分けて紹介します。
AIに指示を出しながら進める仕事——たとえばAIコーディング(自分でコードを書く代わりに、AIに指示して書いてもらうやり方)のように、一日に何度も言葉でやりとりする場面ほど、この道具の差が効いてきます。
なぜ道具が効くのか
続けられるかどうかは、2つで決まります。録るときの音のきれいさと、文字にするときの精度です。どちらかが雑だと、誤変換(喋った言葉が違う字になること)の直しに追われて、だんだん使わなくなります。裏返せば、この2つを道具で底上げすれば、音声入力はぐっと実用的になります。
録る道具(ハード)
① DJI Mic(作業しながら喋る用)。私が使っているワイヤレスマイクです。マイク本体が2つと、充電できるケースがセットになっていて、パソコンには付属のUSBレシーバー(パソコンに挿す小さな受信機)を挿すだけ。私はMac miniに挿しっぱなしにしています。口元の近くにマイクが来るので、声がクリアに入り、誤変換が目に見えて減ります。ケーブルがないので、手を動かしながら喋れる。「作業しながら考えを流し込む」使い方にいちばん合っています。
② PLAUD NOTE(思いついた瞬間に録る用)。薄いカード型の音声メモです。ふと浮かんだことを、その場でボタンひとつで録れます。しかも、録った声をあとからAIが自動で文字に起こしてくれる。つまりこれは、録る道具と文字にする道具が一体になった機種です。移動中や、机に向かっていないときの思いつきは、放っておくと消えます。それを逃さず捕まえておく道具として、これほど身軽なものはありません。
文字にする道具(ソフト)
③ Aqua Voice(Macでの音声入力の主役)。私がMacで使っている音声入力ソフトです。マイクで拾った声を、その場でテキストに変えてくれます。良いところは2つ。ひとつは、変換の精度が高いこと。喋った内容が、直しの少ないきれいな文章になります。もうひとつは、アプリを選ばず、どこでも使えること。特定のアプリの中だけでなく、いま開いているどの画面にも、喋ってそのまま書き込めます。
マイクをどれだけ良くしても、最後に文字にするソフトの精度が低ければ、直しに追われて続きません。パソコンにも標準の音声入力機能は入っていますが、精度を求めるなら、こうした専用のソフトが効きます。
選び方
全部を一度に揃える必要はありません。自分がよく喋る場面で選んでください。机での作業が中心なら、マイク(DJI Mic)と変換ソフト(Aqua Voice)の組み合わせ。外での思いつきが多いなら PLAUD NOTE。まずは、いちばん使う場面の道具を1つ良くするところから始めれば十分です。
道具の先にあるもの
最後に、いちばん大事なことを。いい道具を揃えることは、目的ではありません。目的は、喋った言葉を貯めて、第二の脳(自分の考えを外に残した記録。第2回で書きました)を育てることです。道具は、その入口を滑らかにするためのもの。道具から入った人も、ぜひ第2回へ。
今日のまとめ
- 音声入力は「録る(マイク)」と「文字にする(ソフト)」の2層で考える
- 作業しながらなら DJI Mic + Aqua Voice、外での思いつきなら PLAUD NOTE
- 道具はゴールではない。目的は、貯めて第二の脳を育てること