事業課題から「追う数字」と「打ち手」を見つける
経営の悩みを、具体的な行動に変える
「売上を上げたい」「人手不足を何とかしたい」——課題は見えていても、"で、何から手をつければいいのか"が分からないことは多いものです。ここでは、経営の課題を、現場で追う数字と、実際にやること(打ち手)にまで落とす考え方と、それを助ける「PIカタログ」「AIDX打ち手カタログ」を紹介します。
この記事でできるようになること
- 経営課題を、追うべき数字に分解できる
- 数字を動かす可能性のある「打ち手」を具体化できる
- 自社の業態・課題に合う打ち手の探し方がわかる
「目標の数字」と「途中の数字」を分ける
本記事では、目標達成までの指標を次のように整理します。KGI は最終的な成果を測る指標、KPI は KGI の達成状況を左右する重要な進捗・成果指標、PI は現場の行動や業務プロセスを測る指標です。なお、PI の意味や KPI との関係は、業界や管理手法によって異なります。
例で見ると、KGI=2027年度の営業利益を1億円にする、KPI=月間の商談数を100件・成約率を20%にする、PI=担当者1人あたりの有効架電数を1日20件にする、のように、指標には期限と目標値をセットにします。指標名だけ(利益、来店数など)では目標になりません。
ただし、架電数を増やせば必ず成約率が上がるとは限りません。KPI や PI は「KGI につながる」という仮説に基づいて設定し、定期的に結果を確認して、関係が弱い指標は見直します。
課題から打ち手までの流れ(全体像)
本記事では、経営課題を次の順で「現場でやること」まで下ろす流れとして整理します。呼び名や区切り方は管理手法によって異なりますが、考え方の骨格は共通しています。
また、KPI や PI は「KGI につながる」という仮説にすぎません。定期的に結果を確認し、関係が弱ければ見直します。最後は小さく検証(PoC=概念実証)し、実現できそうなら限定範囲でのパイロット導入に進みます。
業態が違えば、効く打ち手も違う
同じ「客単価を上げる」でも、食品スーパーと外食と製造業では効く打ち手が違います。自社の業態(事業の種類)に合った打ち手を選ぶことが、遠回りを避ける近道です。
業態と課題から、追うべき数字と打ち手の候補を探す
翡翠AIのカタログは、この一連の作業を助ける道具です。業態と経営課題を選ぶと、関連する KGI・成功要因・KPI、現場で追う PI と打ち手の候補、始めるときの注意点(ガードレール)・必要なデータ・小さく検証する方法(PoC=概念実証)まで順に見られます。機械的に正解が出るわけではなく、整理された候補から自社に合うものを選ぶための土台として使います。
根拠について(出典)
このカタログの数字と打ち手は、政府統計や公的支援機関が公開する資料をもとに整理しています。主な出典は、経済産業省「商業動態統計」、厚生労働省「雇用動向調査」、中小企業基盤整備機構・J-Net21 の公開資料などです(政府統計は「政府統計の総合窓口(e-Stat)」を通じて参照)。数値を整理・編集した箇所は当社が作成しています。なお、根拠は業界・事例レベルのため、自社にそのまま当てはまるかは実情に合わせてご確認ください。
5分で試してみる
自社の経営課題を1つ書き出し、「それは最終的にどの数字(KGI)に効くか」「手前でどの数字(KPI)が動けばよいか」を1行ずつ書き添えます。3つ書けたら、その数字を動かすために現場で今日できることを1つ挙げます。カタログで同じ業態・課題を選んだ結果と見比べると、抜けや別の打ち手に気づけます。
実践の進め方
まず自社の業態と、困っている経営課題を1つ決めます。次にカタログで同じ業態・課題を選び、提示される KGI・KPI・PI・打ち手を見ます。その中から、費用と現場の負担を考えて、最初に試す打ち手を1つ選びます。小さく検証し(PoC=概念実証)、実現できそうなら、限定した店舗や部署でのパイロット導入に進みます。
完了の目安
次の状態になれば完了です。自社の課題を KGI・KPI・PI の数字に分解できること、その数字を動かす可能性のある打ち手を1つ具体化できること、そして最初に小さく検証する範囲を決められること。すべてを一度に変える必要はありません。
うまくいかないとき
- 課題が大きすぎるときは、「どの数字が下がっているか」に絞る。
- 打ち手が抽象的なときは、「誰が・いつ・何をするか」まで具体化させる。
- 自社に当てはまらないときは、業態や店舗規模など前提を追加する。
今日のまとめ
- 経営課題を KGI・KPI・PI の数字に分解する
- 数字を動かす可能性のある「打ち手」まで具体化する
- 業態に合った打ち手の候補を、カタログで効率よく探す